山本 玲子(京都外国語大学キャリア英語科准教授博士(言語文化学)
DVD『身体性を育てる小学校の英語指導』の制作に携わっていただいた山本先生に、この指導法についてのお話をうかがいました。
身体性を動かす授業を、英語でこそやっていくことに大きな意味がある
小学校英語が始まって、一定の形やどのような活動が効果的なのか、かなり形として固まってきた頃かなとは思っています。
けれども小学校の先生方の中には、ある意味与えられた形に上手にはまり過ぎてしまって、子ども達のいったい何を一番動かしていかなければならないのかというところを逆に忘れておられるようなケースと、すごく上手にされている方の差がどんどん開いてきている気がします。
この中で私が「身体性」というテーマを持ってきたのは、小学校という年代の子ども達にとって、体を動かして、そしてそれが直結している心を動かしていくことが、小学校の先生方自身が何より一番お上手ですし、しかも他の教科で実践されている、そういった身体性を動かす授業を、英語でこそやっていくことに大きな意味があることに気づいてもらえるような、そういうことを意識して作らせてもらいました。
具体的にいうとジェスチャーを使ったり体を動かして歌を歌ったりというのが思いつくと思うのですけれども、それだけではなくてTPRや読み聞かせや音読などの中で、理論的に、
「どういう意味があってそういう活動をやっていくのか」
「どういったことを気をつけねばならないのか」
実際の小学校を舞台に授業を撮影させてもらって、こういう授業があるというところを実際に見ていただくということを今回のDVDの狙いにしています。
DVDの撮影において授業された中での生徒さんのご様子はどうでしたか。
子どもたちの身体や心を動かそうと思ったら、やはり人間関係がしっかり出来ていることが何よりも大切ですが、今回はその日会ったばかりの子どもたちでもあったので、なかなか子どもたちの体が最初のうち硬くて、それをほぐそうと私が四苦八苦している姿も見てもらえるのではないかと思いますし、活動の中で少しづつ子どもたちの体がほぐれてきたら、同時に心もほぐれていくところも、リアルに見ていただけるのではないかと思います。
子ども達の反応というか表情もしっかり映っていますので、そういったところも注目していただければと思います。