英語の読み書きを学ぶ⑶ 『ジョリーフォニックスを活用した英語の読み書き』DVDについて


山下 桂世子(やました かよこ)

(ジョリーフォニックス&ジョリーグラマートレーナー)

 

 


そのアクティビティは、なぜ行っているのかわかりますか?

前作『トレーニングセミナー編』では、フォニックスとは何か、アナリティック・フォニックスとシンセティック・フォニックスの違いやイギリスの読み書き変遷などの歴史、そしてジョリーフォニックスの特徴について収録しています。

ジョリーフォニックスはステップがとてもシンプルで、指導順番が同じなのですが、それでもうまく教えられない、もしくは結果が思ったように出ない、ということも起こります。

その原因はたいてい、そのアクティビティ(お話を読む、文字を書く、聞き取りを行う、ブレンディングを行うなど)を「なぜ」行うかがわかっていないか、または指導のポイントがずれてしまっているか、のいずれかの場合が多いように思われます。

 

指導の手順や方法だけでなく、なぜそれを行うのかという「理論」をトレーニングセミナー編で学んでいただき、そのうえで今回の実践編をご覧いただくと、それぞれの意味が理解できるようになるかと思います。
また、前作『トレーニングセミナー編』では、日本の小学校で行われている国語の読み書き指導とシンセティック・フォニックスとの比較も行っています。それを見ていただくと、英語の読み書きも同じように教えればいいんだ、ということがわかっていただけるかと思います。

「トレーニングセミナー編」と「小学校英語の授業実践編」の違いって?

今回のDVD『ジョリーフォニックスを活用した英語の読み書き』では、42音の授業を以下の3段階分として収録しています。

 ・はじめての英語の音と文字

 ・18音学び、初めてのダイグラフ(2文字で一音)

 ・ほぼ42音の終了近く

それぞれの段階を踏むにつれて、子どもたちの学ぶ姿から、読む力だけでなく、単語を聞いてそれを分解する力がついてきていることをご覧いただけると思います。子どもたちが声に出して単語を読む姿を見られて、まさに、小学校1年生の子どもたちが読む姿と重なっていると思われるでしょう。

 

『ジョリーフォニックスを活用した英語の読み書き』では、ジョリーフォニックス教材の活用法について、小学校での授業をもとに紹介しています。42音の授業の流れは、以下の8つのアクティビティの順に展開されています。

「復習」→「おはなし」→「音とアクション」→「音の練習」→「音の聞き取り(セグメンティング①)」→「読む練習(ブレンディング)」→「書く練習(ディクテーション/セグメンティング②)」→「歌」

※今回紹介する授業は「歌」が最後ではなく、「音とアクション」の次に「歌」を紹介しています。

 

このように、「42音」につきましては指導パターンが決まっているため、先生にとって授業がしやすく、子どもにも学びやすくなっています。

ジョリーフォニックスは「この42音でおしまい」と思われる方も多いのですが、今作には、同音異綴りとひっかけ単語の授業も二つ体験している様子が収録されています。

 

前作『トレーニングセミナー編』では、この同音異綴りとひっかけ単語についての詳細をご覧いただけます。例えば、魔法使いのe は今回のDVDでも触れていますが、happy の場合、なぜp が二つ重なっているのか、なぜplay は最後がy になるのか、などを説明しています。

 

さらに、セミナー編では読み書きに困難がある子どもたちへの支援についても触れています。いろいろな子どもたちがいる教室でどのように読み書き指導をしていくのがいいのか、一つの提案としてご覧いただいたうえで、そのポイントを踏まえて今回の実践編を実際にご覧いただき、英語の読み書きで初期の段階につまずかない支援へとつなげていっていただければと思います。


山下桂世子先生のジョリーフォニックス指導DVDをご覧になりたい方はこちらから▼▼▼ 



ジョリーフォニックスの授業で使用する教材は以下の通りです。

42音と13個のひっかけ単語

・はじめてのジョリーフォニックスーティーチャーズブックー

・はじめてのジョリーフォニックスーステューデントブックー60個のひっかけ単語と同音異綴り

・はじめてのジョリーフォニックス2ーティーチャーズブックー

・はじめてのジョリーフォニックス2ーステューデントブックー

(ジョリーラーニング社編著、山下桂世子監訳、東京書籍出版)