阿野先生、太田先生と、指導と評価をつなげる「テストづくり」を考えよう！（セミナーレポート）

■セミナー講師

　阿野 幸一　文教大学 国際学部 国際理解学科 教授 

　太田 洋　　東京家政大学 人文学部 英語コミュニケーション学科 教授

「指導・授業は令和、テストは昭和」という比喩にあるように、指導方法や授業のすすめ方は最先端にもかかわらず、日々行われているテストは旧態依然…という事例は多くみられるところです。

今回のセミナーでは、2021年4月より新しい評価（3観点）が始まるのを前にして、この「3観点」にもアプローチしながら、実際の授業（指導）とテスト、そして評価をどのようにつなげていくかということに具体的に触れていただきました。

以下は講座の内容とレポートです。

2．教科書の題材とテストの題材
次の講座は太田先生。既習英文と未習英文をどう使い分けて読む力を測る問題を出題するか？ということで、教科書の旧版や他社の教科書の扱い方を例に出しながら、具体的なリーディングのテストの内容をご紹介いただいたことで、より理解が深まりました。

3．知識だけのテストから活用する力を測るテストへ
この講座では阿野先生が、テストづくりの基本的な考え方として、定期テストを中心に「英語力」「暗記力」の違いや、どちらをテストで測るのか？という問いから始まりました。

測る力に合わせた設問として「並べ替え」と「穴埋め」の使い分けや、記述式解答・選択式解答のどちらを用いるか等、具体的な問題を例に挙げながら参加者同士で内容確認、共有を行えたことで、「次のテストの問題作成に具体的に活かせそうだ」というお声を多く聞くことができた、活発な講座となりました。

4．パフォーマンステストの実施と評価方法
最後の講座は太田先生による「パフォーマンステスト」の実施と評価方法について。多くの学校で行われているALTとの1対1インタビューテストを例に、このテストにひと工夫を加えていくというお話をしていただきました。

『授業でやったことをテストで評価する・・・という当たり前のようだけど忘れられがちのことを再認識することができました』

このような参加された方の声に代表されるように、指導と評価は一体のものです。指導方法の変化とともに新しい評価のねらいと方法を理解する必要があり、また、評価方法も変化していきます。
指導と評価の一体化を考えていくことは、生徒たちの学びを支えていくものだと改めて気づかされた研修になりました。

大きく4つに分けた内容の講義と受講者間でのブレイクアウト、その都度のやり取りを経て、昼休憩を挟み延べ7時間近く行われた今回のセミナーも、長時間に及んだにもかかわらず中だるみもなくあっという間に終わった感じでした。
阿野先生、太田先生をはじめ、ご参加いただいた先生方に改めて感謝申し上げます。

※指導者・協力者等の所属は記事掲載時点のものです。