■セミナー講師:鈴木 渉
<宮城教育大学教育学部英語教育講座 准教授>
ISLA(教室内第二言語習得研究)に基づく英語授業の3Steps
2020年12月から2021年1月にかけて行われたジャパンライム現職英語教師のための英語科教育法オンラインセミナー短期集中講座2『鈴木渉先生・ISLA(教室内第二言語習得研究)に基づく英語授業の3steps』。
第1回「インプット中心の指導テクニックの習得法」、第2回「アウトプット中心の指導テクニックの習得法」のセミナーレポートは既にご紹介の通りですが、今回は2021年1月10日に開催された第3回「インタラクション中心の指導テクニック」について簡単にレポートします。
インタラクション中心の指導テクニック
1、2回目のセミナーでは、「聞く、読む」中心のインプット活動と、「話す、書く」中心のアウトプット活動を扱ってきました。特に2回目で行った生徒に話させる、書かせるという練習を紹介していただきましたが、英語をアウトプットすれば、エラーはつきものです。話させっぱなし、書かせっぱなしというわけにはいかず教師はそれにフィードバックを与えなければなりません。
第3回のセミナーでは、このフィードバック(以下FB)について詳しく実例を挙げていただきながらご紹介いただきました。
まず教師は何に対してFBを行うか、というお話があり、対象として「1.内容、2.構成、3.言語」が挙げられました。ISLAで主に研究されているのが3つ目の「言語」で、間違ったものを訂正するのが目的なので「訂正フィードバック(corrective
feedback)とも呼ばれています。
実際に参加者の方に添削する例文を提示し、それをどのようにFBするのか、ライティングのフィードバックを行ってもらいました。その後、FBの種類には3種(1.直接的、2.間接的、3.メタ言語的)あるという話を受け、その上で具体的な訂正例をいくつも挙げていくことで、普段自分が生徒に行っているFBの内容や意味が裏付けられ、またそれぞれのFBのメリットやデメリットを整理していくことで日々の指導現場で役立てられる内容だという実感を参加者の多くに持っていただけたようです。
スピーキングのFBについても1.直接訂正、2.言い直し、3.繰り返し、4.明確化要求、5.引き出し、6.メタ言語的説明、7.パラ言語的合図、といったように複数の種類を提示し、これも具体例やメリット・デメリットを上げて整理していきました。
全3回のセミナーで、理論として知っていることでも今回体験的に学べたことによって、より理解が深まり実際の授業に活かしていく方策の道筋を示してくれた・・・というような感想が多く寄せられました。
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当セミナーの内容は、ジャパンライムの英語教員向けオンライン研修システム JLC OnDemand 『英語教育コース』にて配信されております。
ぜひ機会を見てご覧いただければ幸いです。
※指導者・協力者等の所属は記事掲載時点のものです。