『胡子美由紀先生の「アクティブに学ぶ生徒を育てる英語授業づくり」』セミナーレポート


■セミナー講師胡子 美由紀(広島市立古田中学校教諭


現職英語教師のための英語教育法オンラインセミナー

2021年5月よりいよいよJLC OnDemandにて配信が開始された【現職英語教師のための英語教育法オンラインセミナー短期集中講座3~ 胡子美由紀先生の「アクティブに学ぶ生徒を育てる英語授業づくり」~】
この配信コンテンツは2021年1月から2月にかけて、全3回にわたって開催されたオンラインセミナーを収録・編集したものです。
今回は、コンテンツのご紹介も兼ねて、このセミナーのレポートをお届けします。

 2021年度中学校新学習指導要領の全面実施を直前に控え、様々な課題が山積される予感の中で開催されたこのセミナーには、北は北海道から南は九州・沖縄まで幅広い地域から多くの先生方にご参加いただきました。
今回の短期集中講座では、中学校の英語教師として、どのような視点で授業を行い、どのような生徒を育てていくのかを考えていく契機にしていただきたいとの願いを込めて、3回の連続講座として「アクティブに学ぶ生徒を育てる英語授業づくり」と題し、講師である胡子美由紀先生に熱く力強く語っていただきました。

 

各回のテーマは次の通り。
・1回目:アクティブに学ぶ生徒が育つ英語授業マネジメント
・2
目:4技能(5領域)向上につながる即興スピーキング指導
・3
目:「思考力・判断力・表現力」を育む指導の工夫  〜統合型言語活動を通して〜

 

詳細は是非、JLC OnDemandにてご視聴いただきたいと思いますが、簡単に各回のレポートをご紹介します。

アクティブに学ぶ生徒が育つ英語授業マネジメント

「アクティブに学ぶ生徒が育つ英語授業マネジメント」というテーマで行われた第1回目、バックワードデザインに基づいた授業デザインと単元構成について述べられ、さらにクラスモットーや教室での10Rules、そして「あなたはどんな生徒を育てたいか?」との問いから、自分にとって理想の生徒像をマンダラートという発想法の一種であるフレームワークに参加者が記入し、その内容を全体でシェアしていく・・・といったようにテンポ良く進行していきました。そのうえで胡子先生の目指す生徒像についてお話しされ、実際の授業のワンシーンを視聴しながらその意味を確認していきました。

この授業映像は、弊社DVD 胡子先生の『ライブ版英語授業シリーズ』が引用されていました。同じ学級の中学2年生の夏から中学3年生の秋までを順に収めた4作で、公立中でここまで出来るのか!といった驚きや、その授業展開や生徒たちのリアルな反応が大変参考になったという声が多く寄せられている大人気作なので、ご覧になった方もいらっしゃるかと思います。

授業からもわかるように、子どもたちが行う活動には必要性が感じられ、かつやりたいと思えるように細かく仕組まれており、それを持続させるためにマネジメントの重要性ということをすごく感じられた内容で、参加された先生方も、オンラインではあったものの胡子先生の発するエネルギーやパワーを充分感じられたような印象でした。

4技能(5領域)向上につながる即興スピーキング指導

第2回目は「4技能(5領域)向上につながる即興スピーキング指導」。新年度からの指導要領で大きなテーマとなる「即興性」に焦点化された内容でした。

「なぜ即興性が求められるか」「即興性スピーキングのメリットは」「どんな即興性スピーキングの活動を行っているか」「英語力とは」と、最初からインタラクティブに進み、チャットを効果的に使って様々な意見を吸い出していきました。
そして今回も胡子先生の授業映像を見ながら気付きを共有したり、実際に行われている即興スピーキングについての内容を深めたりしていくことができました。

今回の(前回から引き続いて)お話や授業ビデオから、生徒は胡子先生の人間性に魅力を感じているのだろうと思えたし、またセミナーにおいても自分も含め参加者として同じ感じを受けたのではないだろうかと思いました。

「思考力・判断力・表現力」を育む指導の工夫〜統合型言語活動を通して〜

最終回は「「思考力・判断力・表現力」を育む指導の工夫〜統合型言語活動を通して〜」というテーマで、これも新指導要領での目玉である統合型言語活動にポイントを絞った内容でのセミナーになりました。
評価の面でも色々と難しく語られる「思考力・判断力・表現力」ですが、これらの力を育むことにフォーカスした言語活動とは、ということで様々な話をいただくことができました。
ここでも意識することは「即興性」であり、その場で判断し、英語で発信するからこそ「思考力・判断力・表現力等」が育つのだ・・・という信念のもとに様々な手立てと仕掛けをした授業を行っていくことが重要なのだと感じました。


今回も授業映像を見せながらの講義になりましたが、この映像の撮影当時は中学生だった
胡子先生の教え子であるMさんとY君も大学生ながらセミナーに参加してくださり、当時の授業の様子や既に行われていた協同学習の様子などを鮮明に語ってもらった内容も非常に印象的でした。二人は大学で英語教育を専攻していて、まさに「めざせ、第2第3の胡子美由紀先生」という感じで前向きに成長されているなと大変感じ入りました。

余談ですが、筆者はDVDに収録されている早稲田中学校での授業にすべて立ち会わせていただきましたが、その当時これらの授業の持つ意味などはっきり分からなかったことも多く、今回胡子先生のお話とともに映像を見直してみて、改めて胡子先生の視線の先にあるものや熱量、目標へ向かってのパワーなどを感じることができました。

 

英語教員向けオンライン研修システムで配信中!

当セミナーの内容は、ジャパンライムの英語教員向けオンライン研修システム JLC OnDemand 『英語教育コース』にて配信されております。

このセミナーの模様にプラスして当日お話を伺いきれなかった点等を追加でインタビュー収録したものも含み、コンテンツ化させていただきました。この内容も必見です!ぜひ、この機会に胡子ワールドを堪能していただければ幸いです。

※指導者・協力者等の所属は記事掲載時点のものです。